星乃 十誠
PROFILE
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"華"の魔導師。要するに花の魔法使い。曰く、咲く花は『イソトマ』。
草花を術の触媒に用い、それらに高度な知性を与えたり意思疎通ができる。
昔から諜報に向く一方、自分の命を削って魔法を用いるため、本来は等しく短命。
普段は黙ってるし大人しいけど、根は結構喜怒哀楽が激しい。年相応。
常識も勉学も殆ど受けられぬまま育ってしまい、極度の世間知らず。
❖ 属性
地水火風の既存する大属性に当て嵌めることのできない草属性。
上述の通り、草花といった植物に高度な知性を与えたり意思疎通ができる。
彼は特にそれらへ優れ、契約によって強化された点もあり、
自身が生み出した華へ限り『ひとのかたち』を与えることができる。
これによって生み出されたのはどれも女性体で、古い順に翁草、薔薇、水仙であり、下記の意味を含む。
翁草→理想、魅力、大人という概念 薔薇→失った時間 水仙→自己愛、秘めたる感情
他には、植物そのものが武器となることもあるが(葉で斬る、毒を与えるなど)
基本的には諜報や防御に長けた一族であり、攻撃にはあまり向いていない。
代わりに、現代であればありとあらゆる場所に存在する『植物』から情報を得る、という大きな強みもある。
❖ 発端と過去
発端は学校へと入学する前の幼少期。
"神様"と一族の間の無断契約で肉体を弄られた結果、彼は他者の魔力を取り込める存在になった。
また、それらの対価に、得た魔力をもとに『彼の感情を華にして吐き出す』華吐きの体質をもつ。
代償として『他者の魔力を取り込める』事実は終ぞ"神様"から知らされる事なく、
誰もが彼のことを『他者の血肉で生きる存在』と思っており、実質不老である彼を悪用した。
吐き出された花は良い触媒となる。その触媒は、魔導師の僅かな体液で三人分の力をもつ。
地下の一室に軟禁し、日々術師の血肉のみを与えられ、何も教えられず吐いた華を利用される。
イソトマに因み「ローレン」と魔導師の名を与えられた彼は、やがて「青花の植木鉢」とも呼ばれた。
短命であるが、この一族が扱う魔法は極めて特殊なものである。特に、今の彼は人間ではない。
過剰な精神的負荷を受けた際、彼の肉体には部分的かつ一時的な『植物化』の兆候がみられる。
より大きなショックを感じることでその心身共に『植物』と化す可能性があり、兆候時点では他者への強い攻撃性をもつ。
❖ 今までの顛末
デスゲームな無人島で協力関係を敷いた相手と帰還した結果、今は相手の住居に住んでいる。
元より自身が居た世界には居場所がなく、戻ったとしても自身の身の安全も怪しいため、実質将来の安全確保をしたともいえる。
異世界にあたる現住地の知識は少しずつ蓄えているものの、一般常識すら乏しかったのもあってかまだまだ実年齢よりだいぶ幼い。
当初は人間性も少なく曖昧な器だったが、与えられた植木鉢の性質は時間と共に少しずつ沈静化しつつある。
現在では血肉による栄養摂取のみに限らず、通常の食事でも体内で変換させることで、最低限の魔力を得られるようになってきた。
但しこれらは栄養源の変化による一種の順応に近く、その本質自体が変わった訳ではない。
その身に未だ痛覚はなく、寿命は喪われ、死は消失と同義である。血ではなく魔力が水として流れ、再度鼓動が脈打つことはない。
家族や周囲、元の世に対して未練はない。怒りもやがて消えたが、何か強い想いというもの自体がほとんどない。
彼にとって魔女の血は枷でもなければ重荷でもなく、ただ当然としてそこに在るだけの力だった。
過ぎた無知は彼に自由を齎した。真実を知らず、世を知らないが故に魔法が排他される存在だとはあまり知らなかった。
だから彼は、今を平穏に暮らしている。この日常は本来もっと昔に与えられるべきだった、人間としての日々だ。