ID:Roniaの記録
『世界桜』のものがたり~其ノ参
そうして何時しか、桜の樹の根本を囲む様に、十五の墓標が建った。
自我を持った桜は、魂を観る事が、其の声を聴く事が出来る様にもなっていた。
しかし其故に、桜は驚愕した。
己の傍に集った魂達、其の全てが悲嘆其の物だったから。
英傑達は経緯こそ違えど、同じ一つの未練を抱いていた。
『引退したかった、穏やかに暮らしたかった』
曰く、横暴な無理難題に潰されたと。
少女は英傑達と違えど、やはり一つの未練を抱いていた。
『生きたかった、大人の女性に成りたかった』
曰く、両親に虐待されて殺されたと。
十五の魂は、成仏出来ない状態にあった。
自我を持った桜は、魂を観る事が、其の声を聴く事が出来る様にもなっていた。
しかし其故に、桜は驚愕した。
己の傍に集った魂達、其の全てが悲嘆其の物だったから。
英傑達は経緯こそ違えど、同じ一つの未練を抱いていた。
『引退したかった、穏やかに暮らしたかった』
曰く、横暴な無理難題に潰されたと。
少女は英傑達と違えど、やはり一つの未練を抱いていた。
『生きたかった、大人の女性に成りたかった』
曰く、両親に虐待されて殺されたと。
十五の魂は、成仏出来ない状態にあった。