ID:Roniaの記録
『世界桜』のものがたり~其ノ伍
しかし、悲劇の連鎖は此で終わらなかった。
『あの桜の樹の下には亡者が埋められていて、花弁として呪いを振り撒いている』
何時か立てられていた噂は、時が流れる内に歪んでいった。
そして歪んだまま伝わっていったのか、次第に桜の信仰は廃れていった。
信仰が廃れていく事に比例する様に、其の地も荒れ始めた。
日に日に荒れていく地に、訪れる人間の数も減っていった。
遂には、大き過ぎて邪魔だから――という理由で、人間達によって伐採されてしまった。
嘗て名付けられた『世界桜』を紡ぐ人間は、最早誰一人として居なかった。
伐採された『世界桜』は、間も無く解体された。
大量の木材は別の品種として騙られ、安値で世界中に買い叩かれていった。
そうして、根本の切り株だけが残された。
桜の存在は、十五の墓標と、その下に埋葬された者達と共に忘れ去られていった。
『あの桜の樹の下には亡者が埋められていて、花弁として呪いを振り撒いている』
何時か立てられていた噂は、時が流れる内に歪んでいった。
そして歪んだまま伝わっていったのか、次第に桜の信仰は廃れていった。
信仰が廃れていく事に比例する様に、其の地も荒れ始めた。
日に日に荒れていく地に、訪れる人間の数も減っていった。
遂には、大き過ぎて邪魔だから――という理由で、人間達によって伐採されてしまった。
嘗て名付けられた『世界桜』を紡ぐ人間は、最早誰一人として居なかった。
伐採された『世界桜』は、間も無く解体された。
大量の木材は別の品種として騙られ、安値で世界中に買い叩かれていった。
そうして、根本の切り株だけが残された。
桜の存在は、十五の墓標と、その下に埋葬された者達と共に忘れ去られていった。