ID:Roniaの記録

『世界桜』のものがたり~其ノ拾

――悲劇ヒゲキはなおも、オワわっていなかった。

イマだ、ツヅいていた。




  多勢タセイ無勢ブセイ

   無数ムスウ人間ニンゲンタイし、

           オノレヒトり。




ココロザシナカばでんでは、まだわれぬとヨミガエって。


んでは、ヨミガエって。
んでは、ヨミガエって。


んではヨミガエって、んではヨミガエって、んではヨミガエって、
んではヨミガエって、んではヨミガエって、んではヨミガエって、
んではヨミガエって、んではヨミガエって、んではヨミガエって、
んではヨミガエって、んではヨミガエって、んではヨミガエって。


幾多イクタ時代ジダイえて、そのタビオノレスベてをらしてきた。

何時イツしか、ナンのためにタタカっているのか、もうオモせないほどに、摩耗マモウってしまった。


薄々ウスウスカンじていた。

薄々ウスウスかっていた。


もうオノレは、ナガくないコトを。

もうオノレに、ツギコトを。


限界ゲンカイを。


それでも。

それでも、オノレナカには『タタカわねばならぬ』という意志イシが、人間ニンゲンタイする激情ゲキジョウが、ツヅけていた。

もはや、ただ『人間ニンゲンホロぼす』――それだけで充分ジュウブンであった。

ユエに、セイカエしてなお、サクラだったコロから『十六ジュウロク』をムカえてなお、アユもうとした。


……アユみたかった。




世界セカイは、残酷ザンコクで、非情ヒジョウだった。