ID:Roniaの記録
『世界桜』のものがたり~其ノ拾
――悲劇はなおも、終わっていなかった。
未だ、続いていた。
多勢に無勢、
無数の人間に対し、
己は独り。
志半ばで死んでは、まだ終われぬと蘇って。
死んでは、蘇って。
死んでは、蘇って。
死んでは蘇って、死んでは蘇って、死んでは蘇って、
死んでは蘇って、死んでは蘇って、死んでは蘇って、
死んでは蘇って、死んでは蘇って、死んでは蘇って、
死んでは蘇って、死んでは蘇って、死んでは蘇って。
幾多の時代を越えて、その度に己の全てを擦り減らしてきた。
何時しか、何のために戦っているのか、もう思い出せないほどに、摩耗し切ってしまった。
薄々、感じていた。
薄々、分かっていた。
もう己は、長くない事を。
もう己に、次は無い事を。
限界を。
それでも。
それでも、己の中には『戦わねばならぬ』という意志が、人間に対する激情が、燃え続けていた。
もはや、ただ『人間を滅ぼす』――それだけで充分であった。
故に、生と死を繰り返してなお、桜の樹だった頃から『十六の死』を迎えてなお、歩もうとした。
……歩みたかった。
世界は、残酷で、非情だった。
未だ、続いていた。
多勢に無勢、
無数の人間に対し、
己は独り。
志半ばで死んでは、まだ終われぬと蘇って。
死んでは、蘇って。
死んでは、蘇って。
死んでは蘇って、死んでは蘇って、死んでは蘇って、
死んでは蘇って、死んでは蘇って、死んでは蘇って、
死んでは蘇って、死んでは蘇って、死んでは蘇って、
死んでは蘇って、死んでは蘇って、死んでは蘇って。
幾多の時代を越えて、その度に己の全てを擦り減らしてきた。
何時しか、何のために戦っているのか、もう思い出せないほどに、摩耗し切ってしまった。
薄々、感じていた。
薄々、分かっていた。
もう己は、長くない事を。
もう己に、次は無い事を。
限界を。
それでも。
それでも、己の中には『戦わねばならぬ』という意志が、人間に対する激情が、燃え続けていた。
もはや、ただ『人間を滅ぼす』――それだけで充分であった。
故に、生と死を繰り返してなお、桜の樹だった頃から『十六の死』を迎えてなお、歩もうとした。
……歩みたかった。
世界は、残酷で、非情だった。