ID:Roniaの記録
『世界桜』のものがたり~其ノ終
人形の身体は、すっかりボロボロになってしまった。
頭部も、両腕も、両脚も。
遂には、人間一人も屠れなくなってしまった。
傷付ける事はできても、その先の、死に至らしめる事ができなくなってしまった。
それも、数を撃たねば、当てる事もままならなくなったほどに。
視界に映した、三人の冒険者。
コガネ色とルリ色の、人ならざる者。
スミレ色の、――人間の、女戦士。
己を滅ぼしに来た者たち。
恐らく、手練れの者たち。
きっと、もう、今の己では、殺せない。
それでも、決めた。
足掻くと、決めた。
故に、最後まで、足掻いた。
戦える限り、足掻き続けた。
まず、両手が壊れた。
拳銃を握れなくなった。
次に、両脚がヒビだらけになった。
歩けなくなった。
………………まだ、終われない。
まだ、戦える。
ヒビだらけの両腕を自ら壊し、中に仕込まれた刀剣を曝け出す。
拳銃も、脚も使えぬなら、この刃で斬り伏せるまで。
そして、女戦士と激しい斬り合いをした。
斬って、斬って、斬って、斬って、斬り続けて……。
その果てに、刀剣が固定されていた上腕が砕け散った。
それから、既に限界を迎えていた両脚も砕け散って。
かつて『世界桜』と名付けられた、『渾沌に果てる桜吹雪』は、遂に討伐されたのであった。
――……こうして こわい あく はたおされ せかいにへいわが もどりました。
ありがとう ぼうけんしゃ! かれらのおかげで てき はいなくなったのです。
これからも かれらのかつやくで せかいのへいわは ずっと たもたれる ことでしょう。
めでたし めでたし……――
頭部も、両腕も、両脚も。
遂には、人間一人も屠れなくなってしまった。
傷付ける事はできても、その先の、死に至らしめる事ができなくなってしまった。
それも、数を撃たねば、当てる事もままならなくなったほどに。
視界に映した、三人の冒険者。
コガネ色とルリ色の、人ならざる者。
スミレ色の、――人間の、女戦士。
己を滅ぼしに来た者たち。
恐らく、手練れの者たち。
きっと、もう、今の己では、殺せない。
それでも、決めた。
足掻くと、決めた。
故に、最後まで、足掻いた。
戦える限り、足掻き続けた。
まず、両手が壊れた。
拳銃を握れなくなった。
次に、両脚がヒビだらけになった。
歩けなくなった。
………………まだ、終われない。
まだ、戦える。
ヒビだらけの両腕を自ら壊し、中に仕込まれた刀剣を曝け出す。
拳銃も、脚も使えぬなら、この刃で斬り伏せるまで。
そして、女戦士と激しい斬り合いをした。
斬って、斬って、斬って、斬って、斬り続けて……。
その果てに、刀剣が固定されていた上腕が砕け散った。
それから、既に限界を迎えていた両脚も砕け散って。
かつて『世界桜』と名付けられた、『渾沌に果てる桜吹雪』は、遂に討伐されたのであった。
――……こうして こわい あく はたおされ せかいにへいわが もどりました。
ありがとう ぼうけんしゃ! かれらのおかげで てき はいなくなったのです。
これからも かれらのかつやくで せかいのへいわは ずっと たもたれる ことでしょう。
めでたし めでたし……――