ID:Roniaの記録

ある冒険者斡旋所にて

「わたしが冒険に出る目的か」


「自分がエルフなのか、オークなのか。善と悪をともに抱くこの身で、なにをなすのか。この世の天秤に対して、なにができるのか。それを見定めたい」


「……というのが建前だ」


「実のところ、わたしは。うむ。冒険がしたいのだ」


「部族の語り部の歌う、合戦の歌。里の竪琴ひきの奏でる、旅の歌。そして、人族の詩人が謳う、冒険の歌」


「火の山、氷の峰、はてしない海原、星々の海」


「違う世界の違う人々、違う武器防具、食べ物、歌舞音曲に娯楽の数々。山の根に隠された、古代の遺跡に眠る竜や悪魔、それらの守る財宝!」


「そうだ、わたしは、おれは」


「そうしたものが見たい。冒険がしたい!


「それが、おれがここに来た理由、いまここに立っている理由だ」


「だから、うむ」


「おれを冒険の旅に連れて行ってくれる者を。おれは待っている」



「――おれとともに、冒険の旅に出よう!



「――以上だ! ありがとう!」


「――この場の出会いすべてに、星々の祝福があらんことを!」



(Text by しろやぎ様)