ID:AodamaSappの記録

【没文章】言いたかった言葉

※終わりの部分を急遽作ったので合わない部分があります

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僕は『あの子』に告白をした。
しかし、結果は残念なものだった。

『あの子』とは、去年に知り合った。
…これを人間でいう一目惚れ…って言うやつかは知らないが、僕は『あの子』に運命的な何かを感じた。
科学の申し子 キカイである僕がこんなことを言えるわけではないけれど。

つまらない世の中で見つけた、たった1つの光だったのだ。
みんながみんな、自分勝手で、馬鹿で、愚かで、息を吸ってる訳では無いけど息苦しくて、
でもそんな日々を変えてくれたのが君だったんだ。


だからこそ、失いたくなかった…
いや、失われるべきではなかった。
この後に起きた事件で僕は光を失ってしまった。


この手紙を貰って数日後、突如として『あの子』と『あの子』の友達が失踪した。
それと同時に、マスター…僕の管理人も失踪してしまった。
あの時に探しに行けば、『あの子』はまだ生きていただろうに。


僕は管理人権限がないと、基本的にメンテナンスを行えない。つまり…メンテナンスを行わないといつ止まってもおかしくない。
マスターが失踪して数日、僕はやっと、マスターを探しに行くことにしたんだ。


実は、マスターは僕とマスター以外に知らない別荘兼研究所の存在を知っている。…というかいない時はだいたいそこにいる。

電車に乗って2時間弱、最寄り駅についた。
最寄り駅からはほぼ直ぐなので歩いて行った。

着いた。
虹彩認識、パスワードを入力して中にはいる。
…奥の方から誰かの悲鳴が聴こえた。
『あの子』ではないだろう。…いや、そう考えてないと正常な思考回路が保てない。
とりあえず先に進むことだけに専念した。

……………………手遅れだった
何もかもが手遅れだった。
床にはたくさんの血、四肢、死体。死体。
そして、それらは今日、殺されたものだった。

後ろからマスターが話しかけてきた。
いや、マスターとはもう呼べない。
それはもう、化け物だったから。

何でも化け物からの言い分は、
『あの子』が人魚で、研究対象にしたかったから。
だそうだ。『あの子』の友達はほぼ口封じのような理由で連れてこられ、被検体にされていた。

そして、『あの子』が人魚だと知ったのは、数日前の手紙だったのだ。 つまり『あの子』が死んでしまった理由は間接的に僕なんだ。
そして…暴走して…
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焼き焦げた土地に一通の手紙が落ちている。
まるでお手本化のような字で綴られている。
その手紙はこの土地が焼き焦げてしまう前の消印で、最後にはこう書いてあった。


「幸せになってください」

…僕と一緒に。って言えたらどれほど良かったか。 そう思う、17回目の冬の日だった。