ID:chikuwatouの記録
🌃🌸【過去怪異事件ファイルから抜粋】
【〇〇町小児連続行方不明事件】
発生日時:××××年、八月二十四日
発生地点:〇〇県〇〇市〇〇町近辺山林
近辺地域在住退魔師からによる報告によって観測。
〇〇町に住む小児が日毎に行方不明となる事件が発生。
他の小児らの証言によると行方不明になった一部の子どもたちは山林へと向かっていたとのこと。
今案件を解決すべく、近辺地域在住退魔師に要請。しかし対応中であった怪異の対処中に怪我を負い出動が不可。
代わりに桔梗院所属退魔師三名を動員。
──当退魔師達により、行方不明の原因が解明された。
数十年前程に山林で事故死した子どもの怪異が町に住む子どもたちを呼び寄せていた様子。
発見時には重傷者もいたが救出後の治療が間に合ったことにより、全員存命。
しかし、子ども達の救出および怪異の対処の際、退魔師の内一人が怪異により接触される。その際に呪いを与えられた可能性があるとの報告あり。
──事件収束後、桔梗院本部にて検査を実行。
検査結果から、「不老の呪い」を受けたのではないかと推察が上がった。
呪いの有無の確認のため、一年ごとに当退魔師の検査を実行。本人の許諾了承済み。
---
「……や、別にこの呪いを負ったことには後悔してないです。あ、もちろんまだ全然実感とかは湧いてないんすけど!」
「確かに、身長が伸びなくなってっちゃうっていうのは不便かもしれない、ですけど」
「けど、それで誰かを救えたってんなら全然、ヒーローとしては当然です!」
「……退魔師はヒーローじゃない?
あっそれはその……言葉のあやというかなんというか!」
報告者:望月和希 16歳
──当事件対応退魔師の内一人、呪いを与えられたと思われる者の報告から抜粋。
発生日時:××××年、八月二十四日
発生地点:〇〇県〇〇市〇〇町近辺山林
近辺地域在住退魔師からによる報告によって観測。
〇〇町に住む小児が日毎に行方不明となる事件が発生。
他の小児らの証言によると行方不明になった一部の子どもたちは山林へと向かっていたとのこと。
今案件を解決すべく、近辺地域在住退魔師に要請。しかし対応中であった怪異の対処中に怪我を負い出動が不可。
代わりに桔梗院所属退魔師三名を動員。
──当退魔師達により、行方不明の原因が解明された。
数十年前程に山林で事故死した子どもの怪異が町に住む子どもたちを呼び寄せていた様子。
発見時には重傷者もいたが救出後の治療が間に合ったことにより、全員存命。
しかし、子ども達の救出および怪異の対処の際、退魔師の内一人が怪異により接触される。その際に呪いを与えられた可能性があるとの報告あり。
──事件収束後、桔梗院本部にて検査を実行。
検査結果から、「不老の呪い」を受けたのではないかと推察が上がった。
呪いの有無の確認のため、一年ごとに当退魔師の検査を実行。本人の許諾了承済み。
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「……や、別にこの呪いを負ったことには後悔してないです。あ、もちろんまだ全然実感とかは湧いてないんすけど!」
「確かに、身長が伸びなくなってっちゃうっていうのは不便かもしれない、ですけど」
「けど、それで誰かを救えたってんなら全然、ヒーローとしては当然です!」
「……退魔師はヒーローじゃない?
あっそれはその……言葉のあやというかなんというか!」
報告者:望月和希 16歳
──当事件対応退魔師の内一人、呪いを与えられたと思われる者の報告から抜粋。
「ヒーローねえ」
「甘ったるい考えだな。
自分のやることが正義に違いないと思い込んでなきゃ、
こんな言葉は出ねえだろうよ」
「怪異の力に苦しむ人間、人間の悪意に呻く怪異……」
「人と怪異の在り方が、そう単純にあるわけないってわかんなかったのかね」
「……わかんねえか、ガキの頃だし」
「でも」
「俺はあの日のことを、後悔はしないだろうよ」
「この呪いがいつまでも続いて、誰かをずっと送る立場になったとしても、
俺はまだ、この身体で誰かを助けられるだろうから」
「……守らにゃならんものは、どう足掻いたって無数にあるしな」
「……」
「よくよく考えてみれば……」
「この呪いって身体の成長止まってるはずなのに
酒とかは普通に飲めるんだから便利なもんだよな〜!」
「年のせいで脂っこいもん食べれないとかも全っ然ないし身体の衰えとかも微塵も感じないしさ〜!!
呪い様様だな〜!!!」
「事実の再確認したら無性に嬉しくなってきたわ
酒飲みにいこ〜っと」