ID:lobsterknightの記録

海老原家:魔に好かれる血統

海老原エビワラ家】

鎌倉時代〜江戸時代ごろに『退魔師』として名を上げ始め、
現代まで退魔師同士の純血を(かろうじて)保っている一族。

その祖は怪異に悩まされる海辺の街を、
一飯一宿の恩に報いて救った男とされている。

『その時町中から集めた灯を受けて髪は赤く、
怪異の血を浴びて血は青くなった』
といった記載のある資料が残されている。
これ自体は創作色の強いものだが、
海老原家特有の赤い髪と、異能を獲得する遺伝を
指しているものと考えられている。


遺伝で発生する異能の効果には一貫性がなく様々だが、
『2つの力を操れる』ことが多いのが特徴的。
有一は『心と身体』、
千虎は『幸運と不運』、
万白は『支配と自由』に関する異能を持つ。
特に本家筋で異能を持った者は、武器や汎用の術式なども複数扱えるよう訓練され、両手利きの人も多い。


この血統の最大の特徴は、
『魔に好かれる血』と呼ばれる特性。
人生の中で怪異や人ならざるものを引き寄せる可能性がとても高く、時には強い感情を持って関与される、
というものである。
血肉が怪異にとって『美味しそう』という物理的な問題ではなく、そういった運命にある、と言ったほうが正しい。
(結果として怪異は惹かれやすく、怪異に食べられやすくもある)

怪異との関わりが自ずと増えるので、退魔師をやっていくのにある種有利だが、リスクも当然高い。
『友人として接している人が怪異だった』
『怪異に一目惚れしてしまった』
『怪異に気に入られ、監視されている』などなど、
怪異との関係が要因で行方不明になり、
一般人から記憶が抹消される海老原の退魔師は古来より後を絶たない。


この特性と海老原家特有の熱血な性格が原因で、
真っ当に由緒正しい退魔師として成人し、
純血を受け継いでいくことがそもそも年々難しくなっている。
怪異絡みでなくとも普通に駆け落ちや家出が発生し、
現在では血が薄れ、異能が不完全または使えない、
中には退魔師の使命すら忘れた末裔が全国各地に散らばっている、斜陽の一族でもある。


怪異たちに向けられる感情は悪意あるものだけではなく、
純粋に好意であることも多い。
付き合い方を考えれば、人間と怪異の橋渡しにもなり得る特性のため、
一様に『欠点』とは言い切れないものである。

【現在判明している海老原の血統】

【海老原 万白】 エビワラ マシラ
京都府出身。『支配と自由』を司る異能を持つ。
現在、『純血』の海老原家で唯一の跡取り息子。
不自由なくも厳しくも育てられ、自らの血と実力には大いなる自信を持っている。
しかし現在の本家の、『純血』に固執する姿勢に限界を感じてもいて、
全国に存在するだろう末裔たちと共に家を再興させたい、と考えているようだ。

京都弁を喋らない理由は、「人付き合いで標準語をよく聞いていたから」と、
「京都弁で喋ると必要以上に疑り深く接する人がいる」からだという。



【海老原 千虎】 エビワラ チトラ
大阪府出身。『幸運と不運』を司る異能を持つ。
血の薄れた海老原家の末裔で、同じ退魔師でありながら
本家には塩対応され、「名を半分伏せて生きろ」と命じられた過去を持つ。
『魔に好かれる血』による危害を遠ざけるため、真名を隠すまじないだとは理解しているが、
基本的に本家には「いつか見返したる」という反骨精神をもって生きている。

『日昳大学オカルトサークル』の常連メンバーの一人でもあり、
この中では最も特性を上手く使って生きている男……かもしれない。



【海老原 有一】 エビワラ アリヒト
静岡県出身。『心と身体』を司る異能を持つ。
千虎とは従弟同士にあたる。
父が退魔師の記憶を自ら抹消して一般人と結婚したため、『退魔師』の記憶は一切持っていない。
『異能者』に理解のある地域でのサポートは受けていたが、異能の自己解釈も多いため、
『退魔師』としては不安定な状態の異能を使い続けていた様子。

25歳ごろに現実世界から消失・・。異界に閉じ込められたと考えられている。