🏝️波誘いのその後
「……で、」
「たった今我が家へと戻ってきました、が」
「せやさかい、その幻覚説ある無人島の思ひでぐらい聞かしてくれたってええやん!」
「……チッ、幻覚やなかと言っとろうもんが……
冗談半分の半笑いでしか聴こうとせん奴に話すほど暇ばなかと」
「せーやーかーら!」
「半笑いなんは千葉という名のサバイバル無縁太郎が無人島でめっさエンジョイしたんちゅうことが
おかしすぎて顎外れそうなっとるのを我慢してるだけやねん!」
「……いややっぱおもろすぎる…… 無人島て……千葉が……っふふ」
「あ?ぼてくりまわすぞボケが。誰がサバイバル無縁太郎と?」
「うわあ、相も変わらずの暴力性〜っ!久々やと逆に安心するわ〜!」
「……ってか思てたんけどさ、
なんで俺の分だけ土産ないん?いちかにはあったんに」
「せらかしか。お前にやるほど無駄遣いすることはなかっちゃろうが」
「む、」
「……はあ、話したかことはたったんそれだけ?
いたらんことに時間使うてしもうた。しまえと……」
「……はあ!?ほんっまに、人を小馬鹿にする語彙だけは長けとるなあ……!?」
「……ああ、なんかこの感じ、久々ですね。落ち着きます」
「あ、ゆらさん。おかえりなさい」
「……えっと、お兄ちゃんがさわがしくてごめんね。
多分、また小さなことでおこっとる……んだけど」
「あ!ゆらしゃん聞いちゃってんない!
またちば兄とよー兄ばやり合っとーと!」
「みみみらが何言ーとと聞かんけん、どげんしよーって話しとったばい!」
「はあ、なるほど。いつも通りが帰ってきましたね。
いちかさんはお気になさらず」
「ちばさんとよろづさんは……まあ、今はそのままでいいでしょう。
なんだかんだ気がついたら終わっていますし」
「ん〜っ、それもそうたい?」
「……たしかに気がついたら終わってる、かな……?」
「じゃあじゃあしたら〜っ、お菓子食べんねっ、ゆらさん!
いちかちゃんが貰っとーとお菓子分けてくれたけん!机貸しちゃり〜っ」
「うち……わたしひとりじゃ多いから、
ほんとはお兄ちゃんたちとも食べようと思ったんだけど……」
「……もう、あんなにちばさんにおこらんでも……
ほんま子どもっぽいわあ……」
「……まあ、今は難しいでしょうね。やったら、我々でだけで先にいただきましょう」
「お茶、用意してきますね」
「あ、ちば兄がさっきゆらしゃんに、
言うことあるとぼやいとーたばってん、とげんしよね?」
「……はあ。言うことですか?」
「まあそれは後でお聞きしましょう。
今はご友人との口論で忙しそうですし」