百数十年前に創られた、自律型人工知能を搭載されたアンドロイド。
記憶は、開発依頼者である誉 雷也(以下、ライヤ)のものから作られている。

彼は元々病気であり、自分の脳、記憶、心臓を機械に移植して、サイボーグとして生きる予定であった。
そして、そのための機体が、レクトのプロトタイプとなった訳だ。

しかし彼は開発中に容態が悪化し、こんなボイスメッセージを残して死んでしまった。

『オレはもう生きられないので、あとは任せます… 最後に1つだけ、お願い…いいですか？
オレは、産まれる前、双子だったようで本当は兄がいたらしいんです。
そんなようなことを母が死ぬ前に聞いたんです。でも、死んでしまったんです。
…名前も考えていたらしいです。 それがレクト…らしいです。
この名前を使って、自律型アンドロイドを作って欲しいんです。…オレが使う予定だった機体を使って…
…兄貴を生き返らせて下さい。』